お子様との生活を中心に考えたバリアフリー住宅

N様邸/神奈川県横浜市

ご夫婦そろって縁を感じた高台の土地

高台の気持ちのいい風が通る玄関先で迎えてくださったN様ご家族は、旦那様、奥様と、生まれつき身体の自由が利かないお子様の3人暮らし。

「以前はマンションに住んでいたのですが、息子との生活の中で、この先エレベーターにバギー(介護用車椅子)を乗せるのが大変になってきたり、狭いお風呂での介助がきつくなってきたりすることを見越して、広い住まいを検討し始めました」と、ご家族の中心である息子さんとの将来を考えてマイホームを持つことを決めました。

M-HOUSEとの出会いは、散歩のついでにふらりと訪れた建売住宅見学会がきっかけ。その時には家を持ちたいという希望はあったものの具体的ではなく、とりあえず建売住宅を見てみよう、くらいの気持ちだったそうです。
つい1年前のことでも、過ぎたことは記憶も断片的。話すうちに鮮明に。
「たくさん描き直しましたね(笑)」思い出の詰まった図面とCGパース。
「見学しながらこちらの事情を話すと、担当者のMさんがとても親身になってくれて、翌日には『N様が求めている状況にピッタリ合う中古マンションが見つかりました!』と連絡をいただき、早速見に行くことにしました」
それは、まさに求めていた1階にあるお部屋で、出入りがフラットであること、バリアフリーに改修された室内は間取りや広さも十分な物件で、概ね条件を満たしていました。ですが、お風呂の広さや部屋の動線は一般的なマンションの形だったことがネックとなり、即決には至らず。
その後、建売住宅やリフォームで希望を叶えられそうな中古戸建、マンションなどを担当者と見て回った結果、細かい条件まですべて合う物件に出会うことは難しいと悟り、そのマンションの購入を真剣に検討していたそうです。

そこへ「注文住宅であれば条件を全て叶えることができて、この先息子さんとの生活を穏やかに送れるのではないでしょうか」と担当者が思い切って提案。「購入を目前にしてのその提案は、本当に驚きました」と旦那様。
実は担当者は、物件探しとともに、バリアフリー住宅をつくるのに適した土地や、こういった場合の家づくりに適応できる国からの補助金などの制度も調べあげていました。

そしていくつかの土地をご案内した後に、M-HOUSEが保有していた高台の土地をご紹介。
大きなバギーを押して坂道を登ることは考えづらく、“フラットな道路沿い”という条件がまずあったため、普通の不動産会社ならまず提案しないかもしれないほどにお二人の希望からは外れていた土地でした。ですが、駐車場が2台分取れる敷地の広さ、近くのバス停からバス本数が多く都内への通勤に不便がないこと、何よりもその高台のゆったりとした、この先も変わらない生活環境と何ものにも代えがたい眺望を、担当者は決して押し売るようなことをせず、ご希望とは違うかもしれませんが…と、丁寧に案内しました。
学生時代からのお付き合いというお二人は、羨ましいほど息もピッタリ。
眺望を活かし、明るく開放感のあるリビングが叶いました。
「ここからの眺望が私の実家の雰囲気に似ていたこともあり、見た瞬間にここで暮らすイメージが湧きました」と振り返る奥様。
さらに「息子がお世話になっている病院で懇意にしている相談員の方がご近所に住んでいることがわかり、縁を感じました」と続けます。
そして、ご夫婦そろってこの場所に住むことを決断されました。

「もし、あの住宅見学会に行かなかったら、担当者さんに出会うこともなく、2か月足らずで心から納得できる契約まで進められなかったと思います。子どものことを理解してくれようといろいろな制度など調べてくださったことも心強かったです」と決め手を語ります。

リハビリテーションセンターで検証しながら設計

こうして、順調すぎるほどすんなりと土地は決まりましたが、バリアフリー住宅を希望されるN様邸のドラマはここからが本番。M-HOUSEの担当者、設計士とともに家づくりがスタートです。譲れないポイントがたくさんあったN様邸の打ち合わせは、ほぼ毎週行われました。

最もこだわったのは動線。「どうしたら息子が過ごしやすくなるか。どうしたらこちら側が介助しやすくなるかを常に念頭においていました」と奥様。玄関前のスロープで息子さんを乗せたバギーを押せる角度は何度か、お風呂場まわりでバギーをリクライニングさせた状態で旋回できる幅は何センチかなど、細かな数値を出すために横浜市のリハビリテーションセンターで検証しながら決めていきました。「担当者さん、設計士さんと一緒に、バギーに将来的な息子の体重を想定した重りを乗せてスロープを上る実験をしたのが、思い出深いです」と旦那様。
無理なく上がれるスロープは奥様のこだわりでテラコッタ調に仕上げました。
玄関前のポーチはスロープから上がってきてバギーを置ける広さに設計。
玄関にはバギーをそのまま置ける奥行きと幅を確保。出し入れもスムーズです。

介助に必要なアイデアが詰まったディテール

また、病院などで知り合った、同じ障害のあるお子様を育てているご家族の家を見学させてもらったことも。「自分たちでは想像できなかった、“なかったら困る”細かいアイデアをたくさんいただきました。それをすべて設計士さんにお伝えしました」と話す奥様。

さらに、担当者からは太陽光発電と蓄電池の設置の提案があったそう。
「停電した時に呼吸器が止まるのが一番恐いんです。バッテリーは備えていますが、もしもの時のために太陽光発電と蓄電池があると安心できます」と旦那様。具体的には、以下のアイデアを取り入れました。
キッチンやリビングからいつでも息子さんの様子がうかがえる間取りに。
設備面でも息子さんをサポート。蓄電池で万が一の時に備えます。
1階でほぼ生活できるよう、至るところにたっぷりの収納スペースを設置。
ヘルパーさんも介助しやすいようにベッドまわりもゆとりをもたせました。
息子さんのごはんを作る時に必要なウォーターサーバーを設置するための収納。
本来は室内物干し用ですが、介助に何かと役に立つそうです!アイデアですね。

住み始めて介助のしやすさを実感!

住み始めて約4か月。介助のしやすさを実感する場面も多いそう。
「息子のベッドがある部屋のすぐ隣がお風呂場なので、お風呂の介助はものすごく楽になりました。抱きかかえてお風呂場に移動し、ポータブルバスタブで入浴させるのですが、呼吸器をほとんど外せないのでこれまでは時間との勝負でした。ですが、動線がスムーズになったので焦ることが少なくなりました」と声をそろえるご夫婦。
また、息子さんの体が大きくなっても介助しやすいように浴室はかなり広めに設計。将来への不安を少しでも減らす家づくりが印象的でした。
介助しやすいように壁の収納や凹凸は最小限に抑えて動きやすくしています。
玄関と息子さんのスペースにつながる、全てが引き戸の4畳以上ある洗面所。
息子さんの介助以外の部分でも大満足のポイントがたくさん。まずは、富士山の裾野まで見える眺望。「引っ越して来たばかりのころは、毎朝写真を撮っていました」と旦那様。「朝カーテンを開けて富士山が見えると、今日もいい1日だと思えるんです」と奥様も笑顔を見せます。
なかなか旅行に行けないご家族にとって、思いがけず手に入れられたこの景観は、宝物かもしれません。

家づくりの過程は本当に楽しかったと微笑む二人に、担当者の顔も思わず綻びます。
この日は曇りでしたが、遮る建物がないベランダからの眺望は圧巻!
朝起きてすぐに、寝室の窓から外を眺めるそうです。
ご主人が撮影した、この冬1番美しかった富士山。
温もりを感じられるモダンなインテリアと外壁
作業スペースが広く開放的な対面キッチンは夫婦の会話も弾みます。
まだ暮らし始めて間もないN様ご家族。これからの生活について聞いてみると、
「この辺りは散歩できるところが多いので息子と一緒に散歩に出かけたいです。マンションの時は車にたどり着くまで一苦労でしたが、今はすぐ息子を車に乗せられるので出かけやすくなってうれしいです」と期待に胸を膨らませた笑顔が印象的でした。
息子さんの成長とともに、この家で、たくさんの思い出ができていくことでしょう。
色選びに悩んだクリーム色の外壁と赤い屋根の組み合わせがかわいらしい。
旦那様こだわりのカーポートは、今後福祉車両を購入した際にも活躍するはず。
N様ご家族と担当者。息子さんのために工夫が凝らされた家づくりは愛情いっぱい。

Q&Aお客様に聞きました

家づくりの過程で印象に残っていることは何ですか?
正確な比率になるよう縮小した間取りを定規で書いたり、色鉛筆を買って外観の絵を描いたりして、「こんな家がいいです」と設計士さんに渡していたのもいい思い出です。打ち合わせで決まったことを家に持ち帰って夫婦で話すと、「やっぱりここはこうしたい!」と毎度出てきて、設計士さんには何度も間取りの変更にお付き合いいただきました(笑)。
新しく家づくりをしたい方にアドバイスをお願いします。
気になったことや要望はすべて担当者さんや設計士さんにお伝えしたほうがいいと思いました。M-HOUSEさんがそれを全部受け止めて家づくりをご提案してくださったおかげで、住み始めてから不満もなく、心から家を建ててよかったと思えています。

TATERU+

DATA

  • 建築場所
    神奈川県横浜市
    家族構成
    夫婦+お子様1名
  • 敷地面積
    164.26㎡(約49.68坪)
    建物面積
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